広角レンズは寄って撮ると面白い…けど、寄るのって難しい

ちょっと前に、X-70というFujifilmの単焦点コンデジを新しく買いました。メインのX-T10に加え、以前からコンデジ枠としてSonyのRX100M3を使っていたのですが、こちらを妹に譲ることになり、変わりにX-70を購入しました。レンズは35㎜換算で28㎜の広角。Richo GRシリーズと同じです。普段いつでも持ち歩く用として、どちらにするかは非常に悩んだものの、メインがX-T10なので、どうせならFujifilmでそろえようということでX-70に。

広角レンズ、気軽にぱしゃぱしゃ撮るという点では良いものの、実はけっこう苦手意識を持っています。広々と写るだけに、なんとも散漫な写真になってしまうことが多いと感じています。

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この写真、これはこれで好きなのですが、広角って、何が撮りたかったのかわかりづらいなあとか、ありきたり・記録的な写真になってしまいがちだと感じています。28㎜は「広く写し込めるから」スナップ向きだ、なんて言われるのをよく聞きますが、僕はすごく苦手です。広く写し込める分、撮りたいもの以外もたくさん入ってしまって、よくわからない写真になってしまう。撮りたいものも小さくなってしまう。どうしたものかと。

でも、考えてみれば、それって、対象に寄ればいいだけであって。被写体に十分寄って、迫力を出せて、そこからなんじゃないかなーと。被写体がインパクトを持つぐらいまで寄って撮れば、背景にいろいろ写し込まれていても、それはむしろその場の雰囲気を説明する味になるんじゃないか。散漫な写真になってしまうのは広角レンズのせいじゃなくて、レンズの特性に合った撮り方ができていない自分なんじゃないか。


そんな風に考えて、もっと被写体に寄る! 足を使う! という意識で撮ったみたのがこちら。

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「あ、面白い」、と思えました。被写体にぐっと寄る。前景を入れる。迫力が出ますね。望遠で撮った写真とはイメージが全然違って新鮮です。

人の少ない公園だからこそ上から下から、あっちへこっちへいってみたものの、これを街中スナップでやろうと思うと、けっこう恥ずかしいでんでしょうね。勇気がいる。森山大道さんの写真を見ていると、すごいインパクトのある写真だなと、でも、あれ、これGRなの!? え、それでこんなに寄ってるの、すごい…なんて思っちゃいますね。

そういう意味では、望遠をスナップ向きといった昨日の記事は、レンズの性能に頼りっきりになってしまっているとも言えますかね。寄らずして寄れる。適材適所ともいえる。悩ましい。