たくさんの展示を見て、写真の幅を広げる御苗場Vol.20での4日間。

御苗場Vol.20が開催されました。2017年2月22日~26日の4日間、横浜は桜木町のBank Artにて。プロアマ問わず300人もの写真家が大集合しての写真展、見応え抜群でした。写真の上達にはたくさんの写真を見るのは欠かせないとは言われますが、御苗場はプロアマ問わず、写真のジャンルも問わず、展示方法も多種多様。写真の上達、特に「幅を広げる」という面ですごく実りある4日間でした。出展者としてではなく、運営サポーターとして、そしていち観客として参加してきました。

その御苗場でたくさんの写真をみたなかで、強く感じたことがあるので、言葉にしてみます。

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想像できないことはカタチにできない

頭の中で想像できないものを作り出すことはできない、と思ってます。自分が撮ることのできる写真は、自分がイメージできる範囲に限られてしまう。写真の構図や露出の決定や、そもそも何を撮るかといった被写体の選択に至るまで、知らなければ、そもそも選択肢にあげることすらできない。

偶然が幅を広げてくれることもある

試行錯誤の中で、偶然、思いもよらない写真が撮れた、ということがあります。カメラを手に外を歩いて、とにかくたくさん写真を撮りまくっていると、どうやって撮ったのかも思い出せないような写真が撮れたりする。意図していたこととは全然違うのに、逆にそれが良かったってことも。そんなときは「奇跡の一枚が撮れた!」なんて大歓喜。

これって、何らかの偶然が重なった結果、自分が想像できる以上の写真ができたということです。自分の想像力を超えた写真と出会えた。知らなかった世界を知れた。想像力の幅が広がった。

一度目は偶然撮れた奇跡の一枚だったとしても、それを狙って撮れるようになったとしたらどうでしょう。奇跡の一枚クオリティを狙って撮れるのだとしたら、写真のスキルとしては一歩上のステップに進めたことになりますね。幅を広げるということは、写真の上達に直結する。

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写真をみることで幅はぐーっと広がる

いろんな写真を見る、というのは、幅を広げる近道だと思います。こんな写真もあるんだ、っていう驚き。なんでこれをこうやって撮ろうと思ったんだって発想や視点に驚愕するものもあれば、カタチにする技術的な精巧さに感嘆するような、どうやって撮っているのかもさっぱりわからないような写真に出会うもあります。「こともあります」というか、そんなことばかりです。

そういう写真をみて、こんなことを考えて撮ったのかな、こうやって撮ったのかな、って、自分自身でも頭の中でその写真を撮ってみたり、実際にカメラをもって真似してみたりします。上手くいかないことのほうが圧倒的に多いけど、知らなかった世界を知ってそれを試してみるというのは、新鮮で、すごく楽しいものです。

「思いもよらない想定外」を自分の中に取り込んで「想定内のこと」にする、ということは、自分の幅を広げることであり、選択肢を増やすことでもある。知っているけどやらないのと、知らないからできない、では天と地の差があります。たくさんの選択肢を持っていれば、それを組み合わせて試行錯誤することで、もっと幅を広げられるかもしれない。たぶん、そうやってあれこれ試しているときって、すごく楽しい。

たくさんの写真をみることで、自分の写真感というか、想像力が揺さぶられる感覚。少しずつでもかみ砕いて自分の中に落とし込めれば、幅は広がる。

300人の写真が一堂に介す御苗場は絶好の機会

300人以上の写真家が大集合して、多種多様な写真がずらりと展示されている。プロアマごちゃまぜ、写真のジャンルも制限はなくて、展示方法も人それぞれ。プリントそのままの人、額に入れている人、アクリル加工している人、和紙にプリントしている人、立体的な展示をしている人、フィルムを直に展示している人。同じ写真、展示は一つもない。

今回は見にいくだけでなく、御苗場サポーターとしていろいろとお手伝いもしました。事前のブース設営で釘を打ったり、写真が傾かないように水平を測ったり。会期中の会場案内や企業ブースでの対応など、裏方のお手伝いもさせてもらいました。プリントされ、しっかりと加工された写真にこんなにもじっくり向き合うのは初めてのことでした。展示者や来客者ともいろんな話ができて、写真好きの人と話をするのは楽しいものだと改めて思います。

延べ4日間会場にずーっと居続け、何度も何度も作品を見続けました。振り返って今、あれもしたいこれもしたい、いろんな思いが頭の中にぐるぐると駆け巡ってます。頭の中で考えられることの幅は広がったのかもしれません。次はこれを実践して、自分の手でカタチにすることで、自分のモノにする、というステップにチャレンジです。

今回はもう終わってしまったのでまた次回、半年後の関西、あるいは1年後の横浜ですけれど、写真を上達したい、刺激が欲しい、変化が欲しい、って人はぜひとも見にいくことをお勧めします。ざーっと流し見るんじゃなくて、気になった作品は足を止めてじっくり見る。展示者が在廊していたら話を聞いてみる。めちゃくちゃに刺激的な時間を過ごせました。


写真を見ること、スタッフとして参加したこと、すんごく勉強になった4日間でした。参加されていたみなさま、本当にお疲れ様でした。次の横浜開催での出展目指して頑張るぞ。

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写真3枚は会場からすぐ近くの、横浜赤レンガ倉庫にて。